屋外に設置した階段昇降機

階段昇降機を屋外に設置する時のポイント

いす式階段昇降機は階段にレールを敷き、その上をいすが駆動する機械ですが、意外と皆さんに知られていないのが屋外階段にも設置可能であるということです。

以前のコラムでも書いている通り、日本の法律では居室の床面は地面から45㎝以上にする必要があるため、道路から玄関までに数段の階段があるお宅が多いのではないでしょうか。

また、傾斜のある土地や、1階が店舗や工場になっている場合は2階を玄関にしているお宅も多くあります。

シンテックス製のタスカルシリーズは屋外のどんな階段にも設置可能で、もちろん雨の時でも雨や風に耐えられる防水仕様となっており、使わない時は屋外のカバーも標準で付いているので安心です。

ただし屋外の階段に設置する際には、家の中に設置する階段昇降機とは違う気を付けたいチェックポイントが5つあります。

それでは1つずつ見ていきたいと思います。

屋外用の100V電源をチェック

いす式階段昇降機は100Vの電源が必要です。

屋外の場合、防水用のコンセント1口があるかをご確認ください。もしコンセントがない場合は、電源を新設する必要があります。

階段の材質をチェック

屋外の階段でよくあるのが「大谷石」を使った階段です。

大谷石は耐久性・耐火性が高く、加工しやすいので日本で古くから使われている素材ですが、年数が経過すると風化して表面がボロボロと崩れてしまうことがあります。
そのため階段昇降機のレールを固定するためのアンカーボルトも、1年後、5年後に崩れてしまう可能性が出てきてしまいます。
そのようなケースを防ぐため、レールの柱を立てる部分はコンクリートでの改修が必要となります。

また、鉄板で作られた階段でも古いアルミ製や、上る時にギシギシ音が鳴るような階段では同じくアンカーボルトが効かないため、残念ながら設置不可となってしまいます。
その場合、階段の架け替えもご検討ください。

隣家との境界線をチェック

いす式階段昇降機には本体に操作レバーが付いていますが、例えば人が下階にいて、いすが上階にあった場合、いすだけを下階に呼ぶことができる「呼び送りスイッチ」が上下階2箇所に設置ができます。

その際、家の外壁や壁、もしくはスイッチ用のポールを立てて設置をします。

実際にあった事例ですが、密集した住宅地で壁に「呼び送りスイッチ」を設置しようとしたら、実は隣家の壁だった!なんてこともありますので、隣家との今後の良好な関係のためにも気を付けたいですね。

家の敷地内の導線をチェック

せっかくいす式階段昇降機を設置するなら、階段を1段も上らずにスムーズに移動したですよね。

でもよくある日本の住宅では、道路から階段を上って直接玄関というお宅も多いですが、一度家の敷地内まで階段で上がって、玄関アプローチを通りさらに数段上って玄関というお宅も多いのでないでしょうか?
そんな時にときどき起こるのが、玄関アプローチ内に階段昇降機のレールを敷いたために勝手口や庭への通路を塞いでしまうことがあります。

階段昇降機のレールは地面からおよそ50㎝前後の位置に設置されています。階段昇降機を利用しない健康な方がまたげる高さではありますが、大変危険なのでお勧めできません。

予め家の敷地内の導線をしっかりチェックして、家の周辺のモノを片付ける、植栽などを整理する等、別の迂回ルートを検討してみてはいかがでしょうか。

枡(ます)やメーター関係をチェック

家の周辺には、雨水桝や汚水桝などの枡や、メーター関係(水道等)が地面に埋め込まれています。

階段昇降機のレールが通る場所や、いすの待機場所に枡などがあると、今後作業や点検があった際に、蓋が開けられないなどの問題が出てきてしまいます。

中には移動できる場合もありますので、お近くの工務店などに相談をしてみてください。
または、レールパターンの変更で回避できる場合もありますので、ぜひお買い求めの販売店に相談ください。