段差解消機の設置面

移動式に据置式、設置式? 段差解消機の設置方法を紹介します

「段差解消機には移動式や据置式、設置式といった違いがあるけれど、どのように違うのだろう?」

玄関や室内にある段差を乗り越える段差解消機について調べていくと、機能や契約に関する事の他、製品の設置方法の違いについて疑問を持ちませんでしたか?
「車いすで段差を乗り越えるのに使用したい」と一口に言っても、段差解消機を実際に利用する時、介助者の手を借りる状態とするか、機器と地面の高さが均一な方が良いのか、利用される方の状況や設置する環境によって様々な違いが出てきてしまうものです。

今回の記事では段差解消機の設置方法ごとに、そのメリットや想定する状況について紹介しています。
このような方々向けの内容となっています。

  • 段差解消機の導入を検討している方
  • 段差解消機の設置方法の違いに疑問を持った方

ちなみに段差解消機について調べている方向けに概要を紹介する記事があります。
段差解消機についてざっくりと知りたい方は、こちらも参考にして下さい。

段差解消機の設置方法の違い

福祉住環境コーディネーターによると、段差解消機の設置方法は次の3つに分類されています。

  • 移動式
  • 据置式
  • 設置式

これらのいずれを選んでもメリットとデメリットがあるので、段差解消機をどのように利用していきたいかを考えつつ、自身にとっての最適解を選択するようにして下さい。

移動式のメリットとデメリット

移動式の段差解消機には車輪がついており、車輪を使って機器の設置個所を自由に移動できます。

車輪がついているメリットを活かし、工場や倉庫のように複数の場所で荷物を昇降させる環境や、多くの人数が集まるイベントに持っていき一時的に設置するのに適しています。

デメリットとして、車輪で移動できるように経路となる床面がフラットな状況になるように維持しなければなりません。
かつ機器の重量が車輪に集中した構造となっているのでその重さにより床が傷つく恐れがあります。
床を傷つけてはいけない環境ならば、移動に際し相応の配慮をしなければなりません。

据置式のメリットとデメリット

据置式では平坦な床や地面に段差解消機を直に設置して利用します。

メリットとして、設置に際し特別な工事が必要ないので、引っ越しや設置場所の変更を考えた時に機器を移動しやすいです。

デメリットとして、床や地面と機器の高さが均一にならない点があります。
床や地面の上に段差解消機をそのまま設置するので、僅かな段差が生じてしまいます。
その為、昇降口には簡易的なスロープが設けられており、その箇所以外からの昇降はできません。
車いすで段差解消機に乗り降りする時、ガタツキを感じたり、介助者の手を借りなければならない可能性が出てきてしまいます。

設置式のメリットとデメリット

設置式は床や地面にピット工事という特別な工事を行い、掘り込んだ箇所に段差解消機を設置します。

メリットとして、工事によって床や地面の高さと、段差解消機の昇降口の高さがフラットな状態になるので、機器への乗り込みが容易です。
昇降口にスロープを用意する必要が無いので、複数の方向から乗り込める機器もあります。

デメリットとして、ピット工事を行わなければならない点があります。
工事によって造った箇所へ段差解消機を埋め込みますので、機器の設置場所を安易に変更できません。
また、屋外で使用する場合には掘り込んだ箇所に雨水が溜まってしまうので、水が抜けるように施行する必要があります。

段差解消機の利用シーンを想定しよう!

今回は段差解消機の設置方法について紹介しました。

段差解消機には移動式と据置式、設置式があり、設置方法により移動が可能になったり、事前の工事が求められたりします。
その為、設置した後の事を検討しつつ、段差解消機を選んでいく必要があります。

もし、ご自宅の近くに福祉機器のショールームがある方や、メーカーや福祉機器事業者と相談している方は、実際に車いすに乗って実機に試乗してみるのをお勧めします。
実際に体験することで、機器を設置した後の状況が見えてくるかもしれませんし、ご自身が求めている環境が具体的になるかもしれません。

導入してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、事前の検討を重ねていきましょう。

最後に、私たちシンテックスでは介護保険に適用した段差解消機を開発・製造・販売しており、公共施設や一般のご家庭の中で、多くの体の不自由な方や高齢の方にご利用いただいています。
神奈川県のショールームに実機があり試乗体験できますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。