段差解消機でヒヤリハットの画像

段差解消機でヒヤリハット その使い方は安全ですか?

私たちの身近にある家電。
そのいずれもが生活を送る上で欠かせなかったり、生活を豊かにしてくれる便利さがあったりと、現代社会においては欠かせません。

例えば、昭和30年頃に三種の神器と名を馳せたクーラーは、近年の猛暑から私たちの体温を調節するのに必要不可欠な存在です。
もしクーラーが無かったら、日差しと気温にやられて熱中症になる方も多くなるでしょう。

とはいえ、使い方を誤ると健康に害する事も。
快適に過ごしたい思いで冷房の温度を下げ過ぎてしまうと、室内外の気温差で自律神経に異常が生じる冷房病(クーラー病)に陥り、体の冷えや倦怠感、食欲不振、不眠などを招きます。

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という成句もありますが、家電は用法を守り、正しく使用するのが大切です。

もちろん、こうした考えは福祉用具においても重要で、生産しているメーカーは重大な問題に繋がらないように、機器の正しい使い方について説明書として纏めたり、定期的なメンテナンス実施を求めたりたりしています。
もし正しく使用しなかったりメンテナンスをせずに稼働させ続けたりするとどうなるのか、ご存じでしょうか?

今回は福祉用具の一つ「段差解消機」におけるヒヤリハット情報を紹介します。
このような方向けの内容になっています。

  • 段差解消機を利用しており、正しく使わないとどのような問題になるか知りたい方
  • 段差解消機の導入を検討しているけれど、どのようなことに注意しないといけないのか気になっている方
  • 福祉用具の営業をしており、利用者に伝える福祉用具の情報を探している方

ヒヤリハットとは?

「出かけようとして車に乗り込んだけれど、免許証を忘れそうになった」
「不安定な場所でフードプロセッサーで野菜を刻んでいたら、台から落ちそうになった」
「知り合いにメッセージを送ろうとしたら、職場の上司に送りそうになった」

このような「うっかりミス」をして、慌てたことはありませんか?
問題になる直前に対処できたので結果としてミスにはなりませんでしたが、もし気付けずにいたら、やり直しや信頼関係の破綻といった事態に陥っていたかもしれません。

ヒヤリハットとは事故防止や安全衛生に関連する用語で、結果として問題にはならなかったけれど、実際に起こっていたら問題になっていた時に使用します。
問題が起きていることに「ハット」気付いて、「ヒヤリ」と肝を冷やす仕草から命名されたそうです。

事故防止や安全衛生の用語というと会社や仕事に限定された内容に捉えがちですが、ヒヤリハットは私たちの日常生活の中でも生じています。

ちなみに冒頭に挙げた3つの例は、いずれも私が日常生活の中で起きたヒヤリハットです。
このような「うっかりミス」、思い返してみると出てきませんか?

段差解消機を利用してヒヤリとしないようにする対策

ヒヤリハット事例を紹介する前に、根本的に発生しないようにする方法について提案します。
ヒヤリハットが起きてしまう原因は様々な内容がありますが、大きく2つに分類できます。

設備の整備不良

【原因】

システムエラーやマシンエラーと言われる、設備・機器や道具を起因として生じる問題です。

利用者の操作が間違っていなくても、設備が正常に動作せずに不安定な状態で稼働してしまい発生します。
不安定な状態になる要因としては、整備・メンテナンスを怠って部品が破損したり劣化したりする、草木や蔓といった外的要因が機器に悪影響を及ぼしてしまう等が考えられます。

【対策】

定期的なメンテナンスや日常点検によって問題の発生を少なくできます。

設備・機器や道具は使用し続けると摩耗する部品が使用されていたり、時間が経つと経年変化する素材が使われていたりする箇所があります。
定期メンテナンスではそのような部品類や機器の状態を確認し、場合によって交換・調整、オイルチューニングを行い、機器の稼働を健全な状態に保ちます。

草木や蔦、道具類などの障害物があると機器の障害になる可能性がありますので、それらが周囲に落ちていたり、機器に挟まったりしていないか確認しましょう。
また稼働時に普段と違った音や振動が出ていないかを注意を払うことでトラブルを未然に防げます。

利用者の不注意

【原因】

ヒューマンエラーと言われる、利用者の操作によって引き起こされる問題です。
疲れていたり、何かに気を取られていたり、または操作に慣れてしまった時に生じるうっかりミス、コミュニケーション不足や取扱説明書を読まずに思い込みで操作してしまう等で生じる勘違いや意識の齟齬が起因して発生します。

【対策】

メーカーが推奨する使用方法を守って、正しく使用するようにして下さい。

推奨する使用方法は機器が正しく動作する方法である他、利用者の安全性を考慮した上で求められているのが一般的です。
その為、同じジャンルの機器であれ、メーカーが異なれば求められる使用方法が異なります。

使用する前に取扱説明書を読んだり、レクチャーを受けたりして、正しい操作方法で利用するようにして下さい。

段差解消機のヒヤリハット情報

段差解消機のヒヤリハット情報を2件、紹介します。

これらの情報は、福祉用具情報の収集と提供を行っている公益財団法人テクノエイド協会が取り纏め、公開している内容となります。

段差解消機で昇降中に車いすが動き出し転落しそうになった

車いすに搭乗した方が段差解消機に乗り込み、車いすのブレーキをかけぬまま昇降操作を行ったときに起きる事例です。

段差解消機を設置した時は昇降する面が平面だったとしても、地震や経年変化によってわずかに傾斜が生じてしまう場合があります。
昇降動作の振動で車いすが動き出してしまい、そのまま転落に繋がる危険性があります。

対策としては、搭乗したら車いすのブレーキをかけて、機器に取付けられた落下防止装置を正しく使用下さい。

また、機器の状態が普段と違うと感じた時には速やかに販売店やメーカーの方に相談して、機器の健全性確認を行うと安心して利用できます。

段差解消機の昇降部分に物が挟まり、搭乗面が傾いて転落しそうになった

搭乗面の下にある昇降部分に障害物があるのに気付かず、段差解消機を降下させたときに起きる事例です。

段差解消機の搭乗部分の下を蛇腹で覆っていない機種の場合、昇降部分に障害物が入り込んでしまう可能性があります。
安全装置が搭載されていない機種では障害物があったとしても昇降動作が止まらず、機器の障害に繋がります。

対策としては、安全性を考慮した製品を使用するに限りますが、利用する前に周囲をチェックするのも大切です。
機器の周囲に変わったことが無いか、見える範囲で障害物が無いか確認しましょう。
また子供やペットが入り込んだり、ものを置いたりせぬよう注意を促すのも重要です。

ヒヤリとせずに段差解消機を利用しましょう

設備や人的要因からハットする瞬間は日常生活では身近に起こりえます。
ヒヤリとせずに、段差解消機を安心して利用し続けられるように機器の健全性を保ち、正しい操作方法で使用することが大切です。

記事の中で紹介した段差解消機のヒヤリハット情報はごく一部に過ぎません。
また段差解消機に限らず、様々な機種、利用状況に応じた福祉用具のヒヤリハット情報がテクノエイド協会に掲載されています。

興味のある方は以下のリンクより参照下さい。


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