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階段昇降機 今昔 その2

約30年前の階段昇降機は、モノレールのようなレールを階段に取り付けて、その上に椅子を据え付けたものでした。

当初の機器はヨーロッパの輸入品がほとんどでした。
欧米人の体形、住居に合わせた製品は日本家屋の階段に合わず、取り付けるにはかなり無理があったようです。

とはいえ、日本製の階段昇降機がこの時期には出始めていて、少しずつ日本の階段に合わせたコンパクトな作りになっていきました。
当時、私が販売していた機器も日本の住宅事情に合わせて、お勧めし易い形になっていたと思います。

しかし、相変わらずモノレールのように階段に鉄の塊のレールが付いている状態で、一般家庭に取り付けるにはデザイン的に厳しいものが有りました。
階段の昇り降りに困っているお客様は外観などは気にせず、とにかく1階から2階に上がれれば良い……という感じでした。

ですが、室内で快適に過ごしたい人にとっては、かなり違和感のある機器だったと今にしてみれば思います。

階段昇降機のレールがパイプになった

そんな中、お客様に直に接して機器を提案していた私達は、「レールを室内に取り付けても違和感の無いデザインにならないか」という要望を製造メーカーに投げかけていました。
そして今から27年前についに日本初のパイプレールを使った階段昇降機が、世の中に産声を上げました。

私は市場に出る前にその階段昇降機を展示会で見たのですが、レール構造を変えてパイプにするだけでここまで印象がかわるものかと驚いた記憶が有ります。

当時、海外では既にパイプのレールが市場に出ていたようですが、日本ではシンテックスのタスカルシリーズが初めてのパイプレールを実現させたのでした。
それまでは室内に工場設備を取り付ける意識だったのが、日本家屋に取り付けても違和感の無い機器という印象を持っておススメ出来ると思ったものです。

今では当たり前の事ですが、当時の私にとっては画期的な事でした!!