皆さんは廃用症候群という言葉を聞いたことがあるでしょうか。多分、あまり馴染みのない言葉かもしれません。
廃用症候群とは?
廃用症候群とは病気や怪我、精神活動の低下等により身体を動かす時間が減り、身体や精神に様々な不具合が発生した状態です。実は高齢者に多い疾患の一つです。
原因は脳血管障害(脳卒中)、認知症、骨折、関節疾患、精神的疾患、筋力低下などによって長期の安静状態によって身体を動かさなくなる事が挙げられます。
廃用症候群と言っても症状は人それぞれで、以下のような状態が生じてしまいます。
- 立ったり歩いたりといった筋肉を使わなくなることから筋力の低下
- 骨への負荷が少なくなることから骨が脆くなる
- 安静状態を長く保っていることから心肺機能や内蔵機能の低下
- 脳への刺激が少なくなることから精神活動性や認知機能の低下
- 起立性低血圧
- 誤嚥性肺炎
- 免疫力の低下
廃用症候群により体力や意欲がさらに低下し、状態がさらに悪化してしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。
治療法は?
廃用症候群が進行すると安静にしていた時間よりも回復に時間が掛かってしまいます。
また回復自体が難しいケースもあります。
よって予防に努める事が最も重要になります。
もしなってしまったときは身体を動かすこと、自分で出来ることは介助者では無くなるべく自分でやることが治療の第一歩となります。
予防法は?
次のような活動を行うと、廃用症候群の予防に効果があります。
- 病気や怪我に気を付ける事。
- 自分でできることは自分で行う事。
- 身体を頻繁に動かす事。
- 適度な運動をする事。
実は筆者もよく公共のスポーツ施設に行きますが、プール内や屋外のウォーキングエリアでウォーキングなどをしている高齢者の方もたくさんいらっしゃいます。
なるべく身体が元気なうちに体力の維持に努めましょう。
普段からウォーキングや体操など無理のない範囲で運動をしたいですね。
行動範囲を拡大することにより、あらゆる刺激が脳や身体に入るようになると生活に活力が出てきます。
また自宅内を安全に移動できるように福祉用具の活用や住宅改修するなども一つの方法です。
いつまでも活力を持って何事も積極的に生きていきたいものですね。