今昔 階段昇降機「住宅事情の変化と2本レール」の画像

階段昇降機 今昔 その5

階段昇降機が大きく変わったのは、従来のレール形状から形を大きく変化させたころからだと感じています。

いかにも機械という外観を何とかしたいという思いから、レールの形状を見直しました。
具体的に言うと、モノレールに使用するレールのような無骨な塊から、パイプのレールに形を変更したのです。

ですが当然ながら今までのものと違うので、構造も含めて見直し、ゼロから開発する事になります。

レールについても形状はもとより、1本だったレールを2本のパイプを使い階段昇降機を動かす仕組みを採用しました。

当時、そのようなレール構造は世に出ていませんから、かなり大きなインパクトになりました。
その後、階段昇降機を扱う各社がこぞってパイプ形状のレールに切り替えた新しい機種を市場に出してくる事となりました。

生活スタイルの多様化と住宅事情の変化

パイプ形状のレールを開発した私達は、屋外用の昇降機を標準品として作るようになったり、体の不自由な方のために特殊なオプションを開発して提供したりと、自社の技術を使ってお客様が求めているものを提供していきました。

時代が進むにつれて日本の住宅事情は更に変化していきます。
特に新しく建てる住宅の階段は、従来の家屋にあった直線の階段が無くなり、L字のように曲がった階段になりました。

このような変化が起きた要因として、住戸内の階段から転落して亡くなっている方が増加してしまったから、階段のあり方が見直されたと思われます。
直線階段だと上階から下まで止まらずに転落してしまい、重大事故に繋がる事が多いのです。

その為、最近の住宅は階段幅も狭く、割と急な階段が増える傾向に有ります。
そのような住宅事情に対応した階段昇降機を提供すべく、現在に至るまで比較的小さなものから大きなものまで改善・改良を繰り返しています。

高齢化という社会問題と福祉機器

これからの日本は更に高齢化が進み、誰もが階段昇降機や段差解消リフトを利用する可能性があります。
その為、階段昇降機や段差解消リフトがもっと身近な存在になる事が必要だと思います。

階段昇降機や段差解消リフトは一般的な家電に比べるとあまり目立たない福祉機器ですが、困っている方々に知って頂き、その方の生活をサポートする機器として提供し続けたいと考えております。

その実現に向けて、機器とサービスの改善・拡充に努めながら、取り組んで行きます。

階段昇降機 今昔シリーズ

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